朝のミナミは

「寝過ごしたらいかん!」とキンチョーしていたら、一睡もできなかった。
5時半のバスに乗り込みウトウトしながら天王寺で降りた私には、MIOみたいなファッションビルよりも気になるところがある。オープンして10年近くになる遊園地ビル、フェスティバルゲートスパワールドはまだ健在のようだった。出来立てのときに一度、「3千円足らずで世界のスパで朝まで入浴三昧、仮眠室もあるんやって!」ということで、京都からわざわざ友達と出かけたなぁ。ワクワクしながら初めて天王寺の駅を降りた21歳の私には、施設で過ごした1日よりも、そこにたどり着くまでの数分間、ブルーシートでできた路上住宅通りを歩き、一泊1500円と手書きの張り紙が書かれた民家のような宿の玄関におじさんがぼんやり座っているのを横目に通り過ぎたドキドキ感のほうが思い出に残っている。
今朝も、人通りのない休日の朝にチラリと見えるブルーシートを見届けてから乗り換える。